SSブログ
官民共同運営刑務所 ブログトップ

官民共同運営刑務所(6) 地域で支える [官民共同運営刑務所]


         官民共同運営刑務所(6) 地域で支える                                           (山陰中央新報調べ)

出所者の幸福を願い、

フクロウのマスコットを作る

浜田地区更生保護女性会の会員  
受刑者の再起を後押し

5429572431.jpg 

「ありがたい励ましをいっぱい書いてもらった。一生の宝物にしたい」。詐欺の罪で懲役6年の
判決を受け、島根あさひ社会復帰促進センター(浜田市旭町丸原)で服役している50代男性は、
浜田市旭町内の女性から受け取った4通の手紙に、感謝の言葉を並べた。

 センターの受刑者と地元のボランティアが、互いに匿名で手紙をやりとりする「文通プログラム」。
国内の他の刑務所にない取り組みで、地元住民の発案で開所1年後の2009年10月にスタートし、
現在実施中の8期目を含めて通算84人の受刑者が参加した。

 このうち、2~5期に参加した36人に対するアンケート調査では、「やや」を含めて「満足」との
回答が94・5%。「社会復帰への意欲向上」が主な理由だ。また、今年3月末時点の調べで、
プログラム参加後に出所した37人のうち、再び刑務所に入ったのは1人にとどまっている。

 これまでに受刑者4人と手紙を交わした旭町内の60代女性は「根は真面目だと思える
内容が多く、偏見がなくなった。少しでも更生に役立てばいい」と話す。今後も文通ボランティアを
続けるつもりだ。

  ◇    ◇

 過去は変わらないが、未来は変えられる。そんな思いから、受刑者の再起を支える地域住民の
活動が続いている。

 ボランティア団体の浜田地区更生保護女性会の会員は、「幸福を呼ぶ鳥」とされるフクロウの
マスコットを手作りし、センターに贈っている。既に3千個を突破。高木禮爲子会長(79)は
「二度と過ちを犯さず、幸福になってほしいという思いを込めている」と説明する。

 センターでは釈放する出所者に1個ずつ、刑務官が手渡す。「出発の記念に『ふくろう』の
かざりが贈られる。そんな一つ一つが世の中を美しくする」とは、ある出所者がセンターの
アンケートに寄せた言葉だ。

 旧旭町長としてセンター誘致の先頭に立った岩谷義夫さん(82)は、地域ぐるみで更生を
支える機運の醸成を喜ぶ。「出所者を万歳で送り出すぐらいの気持ちさえ、自分も含めてある。
『一度は道を過ったが、島根の旭という所のおかげで人生を立て直すことができた』と思われる
場所になれば、何よりだ」

  ◇    ◇

 こうした状況に、手塚文哉センター長(57)は、再犯防止への理想像とする「ソーシャル・
インクルージョン(社会的包摂)」が実現する可能性を見いだす。

 出所者も社会の構成員として包み込み、排除・孤立をなくす-。そんな理念に基づき、
就労や教育の機会を与える「中間施設」を含め、社会の中で受け入れていくことを指す。
「刑事施設への理解が進むこの地域なら、できるのではないか。そのモデルを全国に
広げられれば、もっと安全・安心な社会にできる」。手塚センター長が描くビジョンだ。

 独自色が濃く、さまざまな面で全国的な注目を集める「島根あさひモデル」。5年間で基盤を
築いた「共生」の先には、地域との新たな「共創」に挑む道が続いている。




         難病・障害者への周囲の理解呼び掛け
                                           (山陰中央新報調べ)

病気を抱える人への理解を求める

奥田良子さん(右)と夫の勝彦さん
 
5429580451.jpg

厚生労働省指定の難病「クローン病」を患いながら活動するフルート・オカリナ奏者の奥田
良子さん(47)と、夫でベース奏者の勝彦さん(60)のコンビで、神戸市を拠点とする
「エスペランサ」のコンサートが7日、浜田市弥栄町長安本郷の弥栄会館であった。
夫婦で優しい音色を奏でながら、病気や障害を抱える人への理解を呼び掛けた。

 良子さんは音楽大在学中の21歳でクローン病を発症。絶望を乗り越えて夫とコンビを組み、
全国各地でコンサートを行っている。

 この日は良子さんが、周囲の励ましなどで挫折を克服したエピソードを語りながら、
夫婦で「少年時代」「イエスタデイ・ワンスモア」など11曲を演奏した。良子さんは「病気や
障害がある人が望んでいるのは周りの人の理解。『大丈夫?』と声を掛けてもらえるだけで、
あとちょっと頑張ろうと思える」と語り掛けた。

 コンサートは、人権週間(4~10日)に合わせた浜田市弥栄自治区の「人権を考えるつどい」
として開催。子どもからお年寄りまで50人が聴き入った。































官民共同運営刑務所 ブログトップ